2015年7月10日金曜日

映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』textくりた

「妄想活劇/エイジ・オブ・ホークアイ」


超大作の制作に際し、様々な大人の事情があることでしょう、それはわかります。
しかし、今回の作品は実に様々な超展開が巻き起こっていて理解と共感が難しい作品であったと言わざるを得ません。
誤解なきよう前もって明言しておきますと、本作は老若男女人種を問わず楽しめる、非常に愉快な娯楽作となっておりました。

ではそんな作品の一体何が理解できないか、共感が難しいかと言いますと、それはホークアイ(ジェレミー・レナー)に家族ができていたことですね、急に。それはもう予告を観た段階で「おやおや?」です!

しかしまた何故なのか? 理由が本当によくわかりません。

コミック版ではホークアイとブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)は恋に落ちるという設定で、しかも前作の『アベンジャーズ』ではそのニュアンスが僅かに引き継がれているようでした。そして『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でもその雰囲気を匂わせていておいて、今回のこれですよ。本作では「色々あって隠してたんですよね」、的な説明がなされていましたが、それらのエピソードが全てなかったことになっているこの展開には度肝抜かされましたよ。

ホークアイさんどーなってるんですかこれは。
前作からこの間に一体何があったんですか!

これはもうホークアイとブラック・ウィドウの間で「実は俺、奥さんと子供がいるんだよね」というやり取りがあったようにしか思えません。そしてやけを起こしたブラック・ウィドウがその当てつけに、根暗で女性関係に奥手なハルク(マーク・ラファロ)を誘惑したようにしか見えません! そしてハルクもハルクで彼女がいたような気がします。『インクレディブル・ハルク』でのあの純愛はなんだったのか…ベティ(リヴ・タイラー)もマジ切れですよ!

そういえば『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の時もブラック・ウィドウはキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)に対してちょっと思わせぶりな態度だったことを思い出しました。きっともうその時点でホークアイに妻子がいたことを知ってしまったためにあんなことをしてしまったのですね。
今ようやく腑に落ちました!

そうなのです、アベンジャーズ内の唯一まともそうなキャプテン・アメリカは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の時に少しいい感じになれたブラック・ウィドウが、今回知らぬ間にハルクと急接近しているのを目の当たりにして「お似合いの2人だよ…」などとハルクを応援する始末。
哀れでなりません。
このどうかしている集団(アベンジャーズ)をまとめているキャプテン・アメリカが一番苦労しているのにその扱いは可哀想すぎやしませんか!

と、その代わりと言っては何ですが、女好きのアイアンマン(ロバート・ダウニーJr.)とモテモテのソー(クリス・ヘムズワース)が自分たちの彼女自慢で対抗意識を燃やすという一途さを垣間見せたりして、こっちはこっちで一体何を見せられているのか、という気持ちになりますね。このリア充2人だけはシリーズ通して平和です。アベンジャーズ内で修羅場が巻き起こっているなど知る由もないのです。

ところで肝心の本編はと言いますと、そんなどうかしている集団の一員であるアイアンマンが何となく開発したAIの自我が芽生えて暴走してみたりして、何だか色々大変な事態が巻き起こるわけなんですが、アベンジャーズ内の恋愛事情が複雑すぎてもうそんなことはこの際どうでもいいのです! そしてそっちの事件は何だかんだで丸く収まったようなので大変良かったです!

そんなことよりもブラック・ウィドウがホークアイに騙されて捨てられたんじゃないかと気が気じゃありません。
あんな誠実そうなのに、ホークアイさんひどすぎる!
そんなブラック・ウィドウは当てつけにアベンジャーズ内で奥手そうな男を2人も手玉に取って、しまいにはハルクをあんな谷底(?)に突き落としたりしちゃうんですよ!

ヒーロー活劇の裏側では昼ドラレベルの恋愛模様が渦巻いてるのです!
お忘れかも知れませんがこれはヒーローのお話ですよ、みなさん!
もうウルトロンどころの騒ぎじゃありません!
これは修羅場です!
そんなカオスな状況なのに1人で家に帰っちゃうホークアイさんはやっぱりひどいです!
「愛を知る全人類に送る」とはよく言えたもんです!
とにかくジェレミー・レナーさんひどい! でもかっこいい!
今後はもうこれ以上スカーレット・ヨハンソンさんがやけを起こさないような展開にしてあげて欲しいと願ってやまない作品でした!
次回作の『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』も楽しみにしています!

修羅場度:★★★★☆
(text:くりた)



映画『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』

2015/アメリカ/141分

作品解説
マーベルコミック原作の人気作品からヒーロー達が集結したアクション大作『アベンジャーズ』(2012)の続編。前作に続きジョス・ウェドンが監督、脚本を手掛け、主要キャラクター演じる豪華キャストも続投している。

出演
トニー・スターク/アイアンマン:ロバート・ダウニーJr.
ソー:クリス・ヘムズワース
ブルース・バナー/ハルク:マーク・ラファロ
スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ:クリス・エヴァンス
ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ:スカーレット・ヨハンソン
クリント・バートン/ホークアイ:ジェレミー・レナー
ピエトロ・マキシモフ/クイックシルバー:アーロン・テイラー=ジョンソン
ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ:エリザベス・オルセン


スタッフ
監督・脚本:ジョス・ウェドン
制作:ケヴィン・ファイギ
制作総指揮:ヴィクトリア・アロンソ、ジェレミー・レイチャム、スタン・リー、アラン・ファイン、ジョン・ファヴロー


劇場情報:全国のTOHOシネマズ系列で公開中

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